すぐわかるパソコン相談室

「パソコントラブル」系の書籍というのも、ネット上でそれなりに情報を探すことができる今となっては、わざわざお金を出して買うインセンティブは低下している。断片的な情報を寄せ集めただけでなく、本としてプラスアルファの価値が必要だ。ノウハウ系の本なら、例えばその本を使って勉強をする気になる、というのも一つの訴求ポイントだ。

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玉生 洋一

アスキー・メディアワークス 2010-01-20


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 この本はフルカラーで画面例が見やすく配慮されている。テーマごとに括ったQ&A形式、というのはオーソドックスで他書と大差無いのだが、「インターネットって何?」という禅問答を思わせる大風呂敷な質問から、PINGコマンドの利用方法まで、読者を理解度を徐々に高めてゆく「流れ」が形作られている。

断片的Q&A形式にして、独習書としても使える構成。飽きさせない誌面の作り、というところがポイントだ。

さらにTwitterまで解説の範囲を広くとり、パソコンそのものというより、ウェブサービスのほうをかなり重点的に解説している。ユーザのほうも、パソコンを使ってるという印象よりは、ブラウザを経由でネットの向こうの世界で活動している、というのが実感されているだろうWeb2.0+の時代だ。今後も、パソコン本体の解説にあてられるページ比率は低下の一途、ということで間違いない。

今、「インターネットって何?」から勉強しようという人は限られている。そういう層に向けて、この字の大きさも画面例の視認性の高さも、わかりやすさに直結していて、なるほど配慮が行き届いた書籍である。

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このページは、ねっと猫の手が2010年3月10日 10:42に書いたブログ記事です。

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