サポート現場の暗黙知、のようなもの

暗黙知という、野中先生が世界に広めたアカデミックな言葉をここで使うのがふさわしいかは、置いておきましょう。

パソコンサポートを俗世間での俗っぽい商売として素直にとらえた場合、接客業としての側面、そして、技術サービス業の側面、この2つの大きな要素からなること、これは実感として確かなものがあります。技術だけじゃ全然駄目、ということです。

その技術方の半分、技術サービス業としての中身を考えると、技術者としての知識を演繹的に使うような面は当然として、一方で、お客様へのアドバイスというか、不調の原因はこれこれだから、これからはこのようにお使い下さい、って提案するようなところ、要するに情報提供業の側面があって、ここが重要なのだと思います。

思いやりに類するもの、付加価値はこの情報提供の部分に宿るのではないでしょうか。

そうはいうものの、トラブルシュートはやはり、機械相手のオタクでマニアックなテクノロジの世界であって、その世界が十分に広くて深くて、到底すべての知識と情報を事前に身に着けておくことなどできない。となると、現場でのアドリブ力が要求されることになる。

情報は、ググればなんとかなる。あとは応用力。

ということで、知らないことは知らないと正直に言わざるを得ないとしても、知らなくても問題は解決できるわけで、終わりよければすべてよし。解決できれば誰も文句は言わない。要求されるのは、広くて浅い常識と、あとは突破力、これは根性と呼ばれることもあるし、あるいは人間力とでも呼ぶものかもしれない。

だから、パソコンサポートを支える暗黙知、のようなものは、パソコン修理のようなバックエンドにおける暗黙知とは異なるのでしょう。ヒューマンスキルに片足つっこんだような、そんな暗黙知。これをそれなりに白日の下に引っ張り出して衆目に曝すことができれば、それはそれでそれなりに価値があるものになるのではないか。

というわけで、パソコンサポート屋がパソコンサポートのノウハウを語ってしまうのは、なんだか自滅へ向かう馬鹿げた行為に見えなくも無いが、おそらくそんなに簡単に詳らかにはできなくて、そこに暗黙知が確実に存在すること、これが示せればまあいいとしましょう。

そこにもここにもダークマター、だけど見えない、検知できない。ああいう世界みたいな感じでしょうか。

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このページは、パソコンの119番 - ねっと猫の手が2011年2月 2日 15:36に書いたブログ記事です。

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